未経験者でIT業界へ転職の際は、LinuC1が採用面と実際の業務面で有利です。
その理由をLinuCの試験がどんな内容かに触れつつ、お伝えします。
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LinuC1が実際の業務で役に立つ4つの理由
ずばり、LinuC1は実際の業務で役に立つからです。
OSに関する基本知識が身に付く
業務システムや社内情報システムはOS(Operating System)上にアプリケーションをインストールして動作させています。
しかも、今の時代、OS種類の大部分はLinuxかWindowsとなってきてます。
LinucはLinuxのOS知識が身に付く資格の位置づけですが、その基本構成はWindowsとほぼ同じであるため、
システム全体のOSに関しては、大部分がカバーできるというわけです。
ちなに、ここで言う基本構成とは、OS起動シーケンス・ディスク構成・ネットワーク構成・コンポーネントなどのことです。
必須ITスキルである仮想VMwareに関する知識も身に付く
VMware製品とは、例えばパソコンにVMwareをインストールしてWindowsやLinuxなどの複数OSを同時に動作させることができるものです。
そういう意味で、VMwareもOSの1つと言えますが、実は、VMwareはLinuxの開発コードを使って、VMware社が開発したものなんです。
よって、さきほどのお話したOS知識はVMwareにも当てはまります。
IT技術者の中で、VMware製品を知らない・利用しない人はほぼいないです。実際の業務では、システム開発者は当然触れますし、
プログラム開発などでも、VMware上に複数OSを動作させてその上で、コード開発を実施します。
コード開発するためには、VMware上にOSを作ったり、消したりする必要があるため、VMware知識やOS構成の基本知識は
必須になるというわけです。
また、システム開発者になると、OSが正常に動作しない場合に、トラブルシューティングをする機会が多くなります。
その際に、基本的にはVMwareの管理GUI(vCenter)で作業を行うのですが、深刻な障害で解決しない場合は、
VMware(ESXiと呼ばれるOS)に実際にログインして作業を行います。
その時の操作は、LinuxOSのコマンド(VMware独自コマンドもあり)と操作することなりますので、LinuCの知識が役に立つというわけです。
LinuCのスクリプト知識は業務で活躍する
スクリプトとは、簡単に言うと、Linuxのコマンドを複数並べてテキストに書いてそれを順番に実行できるようにしたものです。
実際の業務中ではスクリプトを利用することで、作業スピードが速くなり、コマンドの打ち間違いを防止してできるため、必ず活用します。
よって、どんな現場でもこのスクリプトが複数あり、その中身を読んで理解できないと技術者としては全く役に立たない、ときっと思われてしまうでしょう。
繰り返しになりますが、スクリプト知識は必ず役に立ちます。
スクリプト知識はWindows Server OS主体の現場でも役に立つ
Windows Server OS(2016や2019など)は、基本的にはこれまで同様GUIで作業することが殆どですが、
現場の技術者は、Windows Power Shellと呼ばれるWindows版のスクリプトで作業をすることが多くなります。
理由は、Linux同様に作業効率化とコマンド打ち間違いの防止です。
LinuxスクリプトであるBashシェルとの違いは、構文(if文やループ文)の文字、実行コマンドが異なります。
しかし、コマンドを複数並べて実行する点と構文(if文やループ文)の考え方は、まったく一緒なので、
すぐに業務で応用できるようになるでしょう。
LinuC1の試験で問われる内容と攻略法
LinuC1は試験が2つに分かれており、101試験と102試験の両方に合格することで、認定されます。
では、それぞれの試験について、問われる内容と抑えるべきポイントをお伝えします。
101試験
システムのブート
SysVinitおよびsystemdなど問題集にあるコマンドに関して、オプションを含め丸暗記すればよいです。
業務でも良く利用するので、無駄になりません。
正規表現を使用したテキストファイルの検索
grep,egrep,fgrepなどのコマンドに関して違いを正しく理解して、問題集にある例題をやりましょう。
正規表現の文字列を覚えることが大切です。
実際の業務でも利用頻度は高いです。
パーティションとファイルシステムの作成
fdiskの使い方など問題集にあるコマンドに関して、オプションを含め丸暗記すればよいです。
ファイルのパーミッションと所有者の管理
chmodやumaskなど問題集の例題は必ず覚えましょう。
引数に数字パターンと英字パターンがありますが、ここは丸暗記でなく、きちんと理解した方が良いです。
基本的なファイル管理の実行
このパートではコマンドが16個もあり、大変ですが、コマンドの中身と引数オプションを含め、すべて覚えましょう。
ここの9割ぐらいの種類は、実際に業務で必ず使うコマンドなので無駄になりません。
Debianパッケージ管理の使用
例題だけ丸暗記で良いです。実際の業務で使うケースはありません。
コマンドラインの操作
10個のコマンドがありますが、各コマンドの使用例を暗記しましょう。
実際の業務ですべて良く利用するコマンドです。
ブートマネージャのインストール
GRUBというブートローダを本気で理解しようとするとかなり時間がかかります。
実際の業務では、OSが起動しなかったりなどトラブルシュートなどでこのGRUBの理解が必要になってくるのですが、
この試験時点では、例題だけ暗記する程度で良いと思います。
ハードリンクとシンボリックリンクの作成・変更
ファイルシステムを理解する上で、このパートは非常に重要です。しかし、全く知らない人理解するためには数日必要かと思います。
時間が無ければ、例題だけ暗記して、もし試験時に別問題が出題されたら捨てるといったことでも良いかと。
RPMおよびYUMパッケージ管理の管理
rpmは引数オプションの理解が重要です。すべて覚えましょう。
実際の業務でもrpmコマンドだけは良く利用します。
ハードディスクのレイアウト設計
このパートも重要な領域なのですが、理解するのに時間が必要になってきます。
よって、時間が無ければ、例題だけ丸暗記対策でいきましょう。
ファイルシステムのマウントとアンマウントの制御
このパートは軽いです。mount、umountコマンドおよび引数オプションを正確に覚えましょう。
あと、fstabファイルも理解しましょう。
Debianパッケージ管理の使用
rpmコマンドの違いを意識して、例題だけ覚えましょう。
実際の業務で使うことはありません。
フィルタを使ったテキストストリームの処理
19個のコマンドがありますが、例題丸暗記ですね。
実際業務ではcat、less、sort、tail、uniq、wcあたりを良く利用します。
ストリーム、パイプ、リダイレクトの使用
ここのパートは、できれば実際にLinuxに触って覚えた方が良いです。
それが難しいようであれば、リダイレクトの<、>の違いを正しく理解しつつ、例題を暗記でいきましょう。
ファイルシステムの整合性の保守
各コマンドの引数が重要です。その意味を含めて、理解した方がよいです。
ファイルシステム自体を理解しようとすると時間が掛かるため、ここはコマンドを覚えられれば十分です。
viを使った基本的なファイル編集の実行
viのコマンドは非常に数が多く理解するのに時間が掛かります。その上、覚えにくいです。
実際にLinuxに触りながら、覚えることをお薦めします。
もし、それが難しいようであれば、例題だけ丸暗記しましょう。
プロセスの実行優先度の変更
4つのコマンドの内容と用途をしっかり覚えましょう。
実際の業務では、性能関連のトラブルシュートのときによく利用します。
システムファイルの確認と適切な位置へのファイルの配置
Windowsのとこで言うCドライブやDドライブ、また、フォルダ構成のことです。
Windowsとの違いを意識しながら理解するようすれば、効率的かと思います。
ランレベル/ブートターゲットの変更とシステムのシャットダウンまたはリブート
5つのコマンドですが、比較的英単語に近いため、覚えやすいと思います。
ただし、その一方で、英単語の省略して選ばせるような、引っ掛け問題が出題されます。
なので、コマンドの文字列を正確に覚えることを意識しましょう。
プロセスの生成、監視、終了
ここは、アンパサ「&」だけでなく、正確な理解が必要です。例題の正解だけを丸暗記するようなやり方はしないように注意しましょう。
システムのブート
ここも理解が必要なパートです。問題集の例題に関してシステムの挙動をイメージしながら理解するようにしてください。
102試験
ホストのセキュリティ設定
/etcディレクト以下の設定ファイルは少し数が多いですが、それぞれの何の設定ファイルかを理解しながら覚えるようにしましょう。
業務では必ず使います。
SQLデータ管理
SQL管理自体を本気で理解しようとするとかなり時間がかかります。1つの試験になるぐらいのボリュームです。
この試験時点では、例題だけ暗記する程度で良いと思います。
セキュリティ管理業務の実施
ここも概念から理解しようとするとかなり時間が掛かります。例題の範囲で、正解・不正解によらずすべての選択肢を理解すれば大丈夫です。
ジョブスケジューリングによるシステム管理業務の自動化
cron、atコマンドおよびanacron管理は、非常に重要です。出題頻度も高いです。ここは時間を掛けてしっかり覚えるようにしましょう。
実際の業務でも良く使用します。
メール転送エージェント(MTA)の基本
LinuC1レベルでは、メール自体の知識というより、メールに関連するコマンドの中身を覚える程度で大丈夫です。
ユーザアカウント、グループアカウント、および関連するシステムファイルの管理
実際にLinuxに触りながら覚えることをお薦めします。コマンドを実際に打って、設定ファイルがどう変化したかを見るようすれば、すぐ覚えられるでしょう。
基本的なネットワークの問題解決
このパートでのコマンドは多いですが、しっかりすべて覚えましょう。
実際に、業務中のトラブルシュートでは必要になります。
ローカライゼーションと国際化
意味を含めて理解しようとするとかなり時間がかかります。例題の範囲だけ覚えれば良いでしょう。
実際の業務でもあまり使いません。
インターネットプロトコルの基礎
出題の範囲(8種類)だけのプロトコルの英文字とポート番号を丸暗記すればよいです。サービス問題の範囲なので、取りこぼしは勿体ないです。
クライアント側のDNS設定
3個のコマンドと、3個の設定ファイルを依存関係含め、正確に理解するようにしましょう。重要です。
実際にLinuxに触りながら覚えることをお薦めします。コマンドを実際に打って、設定ファイルがどう変化したかを見るようすれば理解が深まります。
システムのログ
かなり重要なところですが、理解には相応の時間が掛かります。試験対策としては、例題の範囲だけを覚える程度で十分です。
実際の業務経験を経て、理解しないと難しいところかと思います。
暗号化によるデータの保護
重要ですが、この範囲をすべて理解するのには多大な時間を要します。
例題だけ丸暗記して、もし試験時に別問題が出題されたら捨てるといったことでも良いかと思います。
簡単なスクリプトのカスタマイズまたは作成
非常に重要なパートです。実際にLinuxに触りながら覚えることをお薦めします。
viを活用して、実際に簡単なスクリプトを作成して、cmodでパーミッションを変更して実行すると、一度に色々と覚えられます。
システム時刻の保守
ハードウェアクロックとシステムクロックの違いというのは、未経験者とっては概念の理解が難しいと思います。
簡単にいうとハードウェアクロックとは、まだOSがインストールされていない機器(BIOS基盤)に搭載されている物理的な時計の時間です。
システムクロックは、OSをインストール後にOS上で動作する論理的な時計です。
なぜこの2つがあるかというと、システムクロックは、メモリ上で動作する論理的な時計のため、OSをシャットダウンすると止まってしまうからです。
そしてまた、OSを起動する際に、その起動途中で、ハードウェアクロックから”現時点の時間”を読み取って、OS上でシステムクロックを動作させる仕組みになっているからです。
それ以外の部分は、各コマンドと設定ファイルの関連性を理解しながら、覚えるようすれば大丈夫だと思います。
シェル環境のカスタマイズと使用
「簡単なスクリプトのカスタマイズまたは作成」パートと同様に実際にLinuxでスクリプトを作成しながら、理解するようにしましょう。
ただ、非常に範囲が広いので例題だけは、全選択肢の内容をしっかり覚えるようにすれば大丈夫です。
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さいごに 合格率をあげるために
合格率をあげるためというのは当然ですが、実際の業務で活用するためにも以下の2つの対策をお薦めします。
実際に触れる環境を用意しよう
LinuC1は概念を理解するというより、非常に覚えるコマンドが非常に多いことが特徴です。そのため、なかなか難しい部分もあります。
そのために、実際にLinuxに触りながら、出題される範囲のコマンドはすべて実行して試しつつ、勉強することを一番お薦めします。
環境の準備方法ですが、簡単なのは以下の2種類です。
無償版VMware Workstation Playerをダウンロードして、自宅のパソコン上にインストールして、LinuxOSを試す。
自宅のパソコンディスクの空きが10GBぐらいあれば、十分です。使用後は削除して構いません。
LinuxOSは、基本Debian以外であれば、何でも良いですが、拘りが無ければRedhat Enterprise Linuxの評価版か無償版をダウンロードすれば良いかと思います。
参考までに本サイトでのVMware Playerのインストール方法もご紹介しておきます。
簡単10分で終わる無償VMwarePlayerインストール方法
クラウドを利用して、LinuxOSを試す。
AWSやniftyクラウドなど、各社が提供するIaaS型のクラウドサービスであれば、何でも構いません。
月額利用料が1000円~2000円弱なので、ちょっとお金が掛かりますが、自己投資の必要経費と割り切って利用しましょう。
IaaS型と言う点が重要です。詳細は各社のサイトを参照してください。
問題集は全選択肢を理解しよう
試験対策本の問題集はかならず全選択肢を理解するようにしてください。たまに、そのまま出題されるケースがありますが、
類似問題が出題されるケースが大部分を占めます。
お薦めの本は黒本です。
以上です。
いかがでしたでしょうか?本試験を合格して、是非業界で活躍してください。