転職理由は、”職場雰囲気の不満”や”金銭面の不遇”、最近多いパワラハ、モラハラ、セクハラに代表される”ハラスメント関連”であったり、何かを成し遂げたいという”自己実現”欲求など、ほんとに様々です。
実際に私自身も後世に残るような大きなプロジェクトをやりたいという理由で、同じIT業界での転職を経験しました。その後、十数年に渡り、仕事の都合からで毎年平均100回前後はプロジェクトメンバーの採用可否を判断および実際にマネジメントしてきましたが、その際の、面談や面接の経験から、転職の面接を受ける際、こうして欲しいというその準備と本番時のアドバイスをお伝えしたいと思います。
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目次
準備:面接は事前準備が一番大切
事前準備でほぼ9割が決まると言って良いです。まれに、本番に強い行き当たりばったりでうまくいったという話も聞きます。
しかし、面接官もその道の多くの経験と実績があるプロフェッショナルなので、事前準備がされてないとか考えがまとまってなかったりすると、簡単に見透かされてしまいます。
この後、書いてあるものだけでもしっかり準備しましょう。
本質となる志望動機を良く考えること
元会社を辞めた理由は最悪後付けでもよい
退職理由は、金銭面やハラスメント関連から自己実現の欲求など人によって多種多様ですが、実は、その理由はさほど重要視されません。
なぜなら、採用する側にとっては、「自分たちの会社を選んだ理由」と「会社にとって何を貢献してくれるの?」をアピールしてもらえればと考えているからです。
ここで重要なことは、退職理由が「自分たちの会社を選んだ理由」という志望動機に話の流れが繋がっていることが重要です。
嘘をつく必要はありませんが、あまり時間を掛けずに志望動機につなげましょう。
本人の志望動機と会社の求める動機は必ずしも一致しない
どちらか一方だけを整理する人が多いですがこれは間違いです。
まず、「本人にとっての志望動機」を整理することで、会社に採用された後の”モチベーション”や将来のキャリアプランに繋がるため、「なぜそもそも転職したいのか?」「どんな仕事(業界)をやりたいか?」「会社に求める待遇や条件面」を優先度(必須点、妥協点)を自分自身の中でしっかり纏めましょう。
何となく頭で考えるのではなく、しっかり文書化しておくことで、今後、転職活動の際に会社に求める条件面の整理や判断する際に非常に役に立ちます。
次に、「会社の求める動機」を纏めます。面接を受ける会社を調査し、”経営理念”や”業務内容”を参考にしつつ、会社が求めていそうな人材像を想定しながら、自分の志望動機から、面接時にアピールするポイントを絞ります。
たとえば、「Global」、「地域活性化」、「体制作り」、「若手育成」などのキーワードが会社の方針にあれば、そちらと自分の志望動機をリンクさせると、より良いですね。
ただ、この時注意するポイントは、志望動機のアピールがうわべだけにならないようにすること。
例とし、「御社の経営理念のGlobal事業拡大に共感を受けて、その業務に是非貢献したいと考えました。」とか言う人がいます。
面接官としては「はい、それで?」ということを考えてしまいます。
つまり、具体的に、本人のこれまでの知見・経験などの武器を活かして、具体的に何をしてくれるか、をアピールしてほしいのです。
過去私自身もそうでしたが、もし、この時点で面接を受ける会社の具体的な業務内容がわからない場合は、「仮説」を立ててアピールしましょう。
つまり、「こういう地域で、こういう条件なら、自分の何を活かして、何ができる」といった内容です。
自分のアピールできる特徴を3個ずつまとめる
性格的特徴で、良い点と悪い点を3個ずつ言えるように
自己分析を出来てない人は、必ず実施しておきましょう。
ただ、先に言っておくとこの内容は、30代以降の中途採用ではほぼ重要視されません。また、面接時に聞かれることもないと思います。しかし、自分自身の強み・弱みの特徴をしっかり把握しておくことは、本人の成長のためには重要です。
職務経歴書
転職では最も重要な資料となるものです。
新卒の採用判断は、その本人の将来性を重視するために「性格・考え方」や「基本行動パターン」を重視しますが、中途採用では、「実際の業務経験」と「業務における本人成果」を重視するためです。
職務経歴書は下書きがすべて
面接本番が仮に1時間の場合、約40分は質疑応答時間になります。
質疑応答時間は、提出した職務経歴の内容に沿って、問答が行われるわけなので、
会社に提出する職務経歴表の約2倍~3倍のボリュームを下書きとして整理する必要があると思ってください。
実際に関わった業務において、以下のポイントで纏めることをおすすめします。
・業務の内容に応じた単位に分ける
(同じ業務内容でも、成果などの区切りで半年は1年ぐらいで分けると良い)
・業務全体の内容、規模感、会社からの注目度
・自分自身のポジション、具体的な実際の行動例など
・自分がその仕事で得たことを2つ以上
・何が失敗だったか、次にどう活かすか
下書きのフォーマットは独自で構いません。
また、”全部の業務”に対して詳しく纏める必要もありません。
まずは、業務の内容に応じた単位にわけてから、ポイントなる業務を2、3個に絞ってから、アピール内容の深堀りをするようにしましょう。
自分が何を考えて、何を行動したかが最重要ポイント
アピール内容の深堀りにおいては、「自分で考えて、実際に起こした行動」が最も重視されます。
面接時に、業務全体の内容をずっと話する人が多いですが、はっきりって「それは会社やチームの成果」であって、本人のアピールには繋がりません。
得たこと・次に活かすべき反省点は忘れずに
むしろ、会社やチームで良い成果が得られないパターンもあることが現実にはよくあることなので、「自分が起こした実際の行動と、それに反省点を加えて、次はこういう行動をする考え」とアピールすると、よい評価が得られると思います。
その他注意すべきところ
経歴書は空白期間に着目される
経歴書の期間を見ると、異なる業種での仕事期間や家事都合、本人都合などの理由により、
敢えて、空白期間とする人がいます。
本人の基本行動パターンを判断する材料になるため、私自身は面接時には聞くようにしてますが、自己研鑽や家事都合などの理由があるのであれば、質疑応答の時間に答えられるように準備しておいた方が良いです。
取得資格は職務経歴の業務内容と実績をマッチさせると良い
転職活動では、取得資格数が多いと資格マニアと疑ってデメリットになる可能性があります。
決して資格マニアが悪いわけではないのですが、実務を伴っていないと業務として使えないというケースが多いため、取得資格と職務経歴を結び付けて、業務経歴をアピールできるようにしましょう。
面接時:本番で気を付けること
ここまで準備が出来ていれば、ほぼ大丈夫なのですが、
当日、些細なことで失敗だけしないように、ポイントを少しお話します。
自己アピール
持ち時間10分の時間配分と面接官が見ているところ
自己アピール時間は、経歴紹介 4分、自分の強みアピール 2分、志望動機 4分程度で纏めましょう。
これまでの事前準備で、材料はありますので、それを纏めればよいです。もちろん、事前にスピーチ練習は必須です。早口になりがちなので、自分で録音して聞いてみることをおススメします。
自己アピールの内容や話し方で、ここでしっかり準備しているかどうかが面接官に筒抜けになります。また、ここで、聞き手への目線配りや本人の身なりや仕草なども見ます。
ただ、この辺は事前練習や数を経験すれば、緊張感もなくなって来ますので、
しっかりと準備をして、安心して臨みましょう。
質疑応答
緊張で準備した想定問答を言って噛み合わないケース
質疑応答時間で失敗するケースとして、面接官との会話が噛み合ってないケースが良くあります。
これは、事前準備で本人が用意したアピールポイントを言いたい、という気持ちが先に出てしまって、緊張のために、面接官の質問を履き違えてしまうために起こります。
これに慣れるのはある程度の場数も必要なのですが、面接官が質問してきたら、
「こういう質問ですか?」と聞き返してもよいので、
しっかり質問に対して答えることが重要です。
最後に面接官からの「何かありますか?」の応答
もうこの時間は、ヘトヘトで事前準備しておいた質問をしたくなくなることもあるかと思います。
質問が無いと、会社に対する意気込みがないのかな?と思われますので、
何かしらの質問はしましょう。
実際には、事前準備で調べた会社情報で思った疑問点や、実際に自分が入社したらどんな仕事になるか?などで良いです。
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面接が数段階あるパターンの対策
会社によって、面接回数はまちまちですが、今回は3パターンあった場合に、それぞれアピールするポイントをお話します。
人事面接
人格や行動など社会人としての基本行動が重要視される
人事面接では、その後に続く面接の振い分けとして、
社会人として当たり前の人格や基本行動パターンを重視します。
転職理由として、会社に対する志望動機や転職理由について、
本人がどう考えて、どうしたいかを纏めておいてアピールする
ようにしましょう。
チーム形成や後輩育成などもあると良い
人事担当は、本人自身の人財育成以外に、会社全体の業績を伸ばすために、
他担当や後輩などに人材育成にどう貢献してくれるか?という点も重視します。
前歴でどういうポジションで何をしたか?を纏めておいて、
自己アピールに繋げられると良いですね。
技術面接
これまでの職務経歴内容と実際に業務対する行動パターン
本人の専門性が重視されます。事前準備の職務経歴でしっかり整理されていれば、
あとは、落ち着いて面接者の質問に応答するようにしましょう。
役員面接
経営や協業体制作りなどの高い目線からの考え方・行動パターンが問われる
中途採用の役職や年齢にもよりますが、30代中盤以降では、会社の経営状況や会社間同士の協業体制をどうイメージしているかを聞かれることがあります。
また、短期と中長期的な時間軸で、どういうアクションプランを考えているか、と言ったことを聞かれます。しっかりと答えを準備しておきましょう。
30代前後であれば、技術面談でほぼ採用は決まりますので、役員面接はこれまで準備した内容で、自信をもって面接に臨めば大丈夫です。